メルマガ初心者向け!メール配信の入門講座
Q1
メール配信を始めるためには、どんな準備が必要?
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A. 「メールに掲載する文章」「送り先のメールアドレス」「メール配信システム」が必要です。
そもそも、メール配信の効果は何でしょうか。
メールを配信することで、毎日アクセスする「メールの受信トレイ」に届くため、郵便ポストに手紙が届くように、読者に思い出してもらえる効果があります。
また、メール配信は、メールアドレスを用意すれば、多くの方に一度に伝えられます。さらに、印刷や郵送コストもないため、DM・はがきでは1通50円以上かかるところが、はるかに安い金額で伝えられるのです。
では、そのメール配信をどうやって始めるか、を解説していきます。
メール配信を始めるには、事前の準備が必要です。
次の3つを準備する必要があります。
1 メールに掲載する文章
2 送り先のメールアドレス
3 メール配信システム
それぞれについて、解説していきます。
1 メールに掲載する文章
配信するメールに掲載する文章が必要となります。どんな文章を書いたらいいでしょうか。
みなさまがよく書くネタは次のようなものになります。
・新商品の入荷のお知らせ
・セールやキャンペーンのお知らせ
・イベントやセミナーのご案内
・レッスンのご案内
・お教室の活動状況のご案内
・コラム
・お誕生日のメッセージ
そして、見た目も工夫したほうが読みやすくなります。
ポイントは3点です。
・件名は20文字以内に
・1行の文字数は、35文字以下に
・罫線や記号でメリハリをつける
また、送信する頻度を少なくして、1回のメールで複数の内容を伝えたい場合には、
目次を入れると全体を一目で把握できてわかりやすくなります。
2 送り先のメールアドレス
次に、メールの配信の許可を得られているメールアドレスを用意する必要があります。
よくある質問として、交流会で名刺交換した相手に対して、メールを送っていいのか、という質問があります。
名刺交換した相手へのメールの配信
名刺交換をした方であれば、メールを送ることは法的には問題ありません。しかし、お客様の心証を
考慮に入れた場合には、案内メールを送る事を事前に了承して頂いたほうがいいです。
また、許諾をもらう際に、「いつでも配信解除できること」「イベントやセミナー情報」など
有益な情報をご提供できることをお伝えすることで、スムーズに了承頂けます。
また、次のような断り書きを、メール本文に書くことをオススメします。
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このメールは、弊社イベント・セミナーなどにご来場頂いた皆様、名刺交換をさせて頂いた皆様
メール配信をご希望の皆さまに配信させて頂いております。
このようなメールをご希望でない場合には、お手数ですが、XX@XX.comにご連絡ください。
配信解除をさせていただきます。
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3 メール配信システム
多くの方に送るメール配信では、通常のメーラー(Outlookなど)ではなく、メール配信専用のシステムを
使う必要があります。
Outlookを使って、誤って、他の方のメールアドレスが公開されたまま、メールを一斉送信してしまう事故も
頻発しております。情報漏えいとなり、目も当てられません。
セキュリティ事故の例
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子ども向け番組を提供しているK社が、番組オーディションへの応募者に対して結果を発表するメールを送った際、
誤ってアドレスが表示された状態となったことがわかった。誤送信が発生したのは、番組オーディションへの応募者
に対し送られた結果発表に関するメールである。同社によれば、従業員が一斉送信した際、誤って応募者615人の
メールアドレスが表示された状態になったという。
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【出典】 経済産業省 日本ネットワークセキュリティ協会(http://www.jnsa.org/ikusei/address/04_01.html)
Q2
メール配信システムにはどんな種類があるの?
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A. 無料のメールスタンドもありますが、国内に有料のメール配信システムをお薦めします。
有料のメール配信システムのなかには、月額制と、都度払いのシステムがあります。
有料のメールシステムがオススメ
無料のメール配信システムもございますが、メールの中に広告が入ったり、登録されているメールアドレスの一覧を持ち出し不可(ダウンロード不可)など、顧客管理という視点ではオススメできません。
また、フリーでメーリングリストを作るサービスなどもございますが、企業あるいは非営利団体がメーリングリストを使用して、社外に情報発信されても、読者のなかには違和感をお持ちになる方もいらっしゃいます。
そのため、自社、あるいは団体で、情報発信を行いたい場合には、有料のメール配信システムをご利用になることをオススメしております。なお、メール配信システムのなかには、システム利用料の支払い方法として、月額制のシステムと、都度払いのシステムがあります。
月額制のメール配信システム
システム利用料を月額で支払うことで、メール配信システムを利用できます。メールの配信日時を事前に予約し、その予約日時に送れる機能や、送付先のメールアドレスを取りこんだり、持ち出せたりできます。
ただし、月額制なので、初期費用を加算すると、年間コストは数万円以上かかるため、小さな企業や、月に1回、あるいは年に数回しか利用しない方には負担が大きくなります。
都度払いのメール配信システム
メールを配信したときだけ、利用料が発生するサービス形態となります。初期費用も発生しないため、
小さな企業、個人で商売をされている方など、年間のコストを抑えたい方向きです。
また、月に1回~年に数回しか利用しない方にも、コストパフォーマンスのいいサービスとなります。
Q3.
メール配信システムを選ぶときの基準を教えてください。
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A. まず、メール配信を始める「目的」を確認します。その後、送る読者の「人数」やシステムの
「使い勝手」などを検証することで、ご自分に最適なメール配信システムを選べます。
メール配信システムを選ぶときの6つの基準
これからメール配信を始める方にとって、どのメール配信システムを利用するか?は、頭を悩ませるところです。初心者にとっては、メール配信システムを使ったこともないので、何を求めたらいいのかわからないからです。
そこで、まず検討して欲しいポイントを6つ採り上げます。
1 何のためにメール配信を始めるのか?
2 メール配信システムにどんな機能を求めるか?
3 何人の読者に、メールを送るのか?
4 どれくらいの頻度で、メールを送るか?
5 メール配信システムの使い勝手はいいか?
6 メール配信システムの初期の設定作業は簡単か?
1 何のためにメール配信システムを始めるのか?
まず、なぜメール配信を始めるのか、その目的を確認する必要があります。
■ よくあるメール配信の目的
よくあるメール配信の目的は、3つのタイプに分けられます。
1 顧客にアプローチをし、リピート率を高めたい。
(例)・お店のセールの情報を伝えて、再訪してもらいたい。
・過去のイベントの来場者に連絡し、新規イベントの集客に繋げたい。
2 潜在顧客となる読者のリストを増やしたい。(新規顧客を増やしたい)
(例)・メールの読者を増やして、店に来る潜在顧客を増やしたい。
3 顧客とのコミュニケーションを円滑にしたい。
(例)・生徒や保護者に、教室の活動内容をお伝えして、親近感を深めたい。
・会員に会報誌の代わりに、会の情報を伝えたい。
「全て」という答えもあるでしょうが、やはり「最優先すべき目的」を決める必要があります。
この目的を見定めることで、メール配信システムに求めるべき機能が決まります。
例えば、2の「潜在顧客となるリストを増やしたい」が目的であるならば、読者登録フォームを保持した
メール配信システムが必要となります。
一方、1の「今いる顧客にアプローチをし、リピート率を高めたい」、あるいは3の「顧客とのコミュニケーションを円滑にしたい」であれば、読者登録フォームは必ずしも必要なく、メールを一斉送信できる機能があれば十分となります。
2 メール配信システムにどんな機能を求めるか?
メール配信システムの役割は4つに分類できます。
それぞれの役割をもとに、メール配信システムが保持している機能を紹介します。
(1) メールを作る
メール配信システムではメールの文面を作れますが、その文面の種類によって選ぶべきシステムが変わります。
■ 文面の種類
・通常のテキストメール
(例)文字や記号のみで表現された一般的なメール
・HTMLメール
(例)画像の挿入や文字加工で見た目がいいメール
読者にメールを送るにあたり、メッセージだけ伝えればいいのか、それともカラフルなデザインでアピールしていく必要があるのか、その必要性を考える必要があります。
HTMLメールは、スタイリッシュなデザインのメールを送れるため、訴求性が高いです。
しかし、読者の端末によって見た目が変わる場合が多く、いくつかの端末で事前に送ってみて、見た目に問題が無いかを確認する必要があります。また、画像を編集する作業などが発生するため、相応の時間と労力が必要となります。
また、テキストメールでも、様々な装飾を使うことで、訴求力の高いメールを配信できます。
オススメの装飾サイト:メールなどに使える飾り罫線(ライン)集・250種
(2) メールを送る
メール配信システムは、登録したメールアドレス宛てに、メールを一斉配信できます。それに加えて、「性別」や「地域」などの属性に合わせて、読者を分類してメールを送る機能があります。その要否で、採用すべきシステムが変わります。
「読者を分類する」とはどういうことでしょうか。
通常、メール配信システムは読者を区別することなく、一律にメールを配信できます。一方、「読者を分類する」機能を使うと、読者のうち、特定の条件に合致する方だけに、メールを送ることができます。
例えば、次のような使い方ができます。
・読者のうち、女性で、30歳~35歳までの方にだけ、メールを送る。
・読者のうち、東京都在住の方で、男性の方にだけ、メールを送る。
■ 読者を分類するメリット
読者を分類をするメリットは、より読者の状況に応じた情報を提供できます。女性向けの商品であれば、読者は
女性に限定したほうが効果があります。また、条件を絞ることで、よりニーズにあったメールを送れます。
■ 読者を分類してメールを送る前の課題
一方、読者を分類をするためには、予め、読者を分類するための属性情報(性別、都道府県など)を登録してもらう必要があります。読者の協力による、登録作業が必要となるため、この登録作業が難航する場合もあります。
(3) 読者を集める
メール配信システムは、読者を登録できます。通常、読者を個別に1件ずつ登録する機能と、複数件を一括で登録する機能があります。それに加えて、メール配信システムの中には、読者登録フォームを設置して、読者を集める機能があります。読者登録フォームを用意し、ホームページやブログからリンクを貼ることで、読者を自然と集められます。
ただし、登録フォームを用意すれば、すぐに読者が増えると思うのは間違いです。様々な要因があるでしょうが、なかなか読者が増えないという悩みも聞きます。こうした場合、読者登録フォームにお金をかけるのも勿体ないので、無料のフォームをご利用になる方もいらっしゃいます。
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一方、DMやハガキのように、今すでに顧客台帳をもっていて、その宛先に連絡することが目的の場合は、メールを送る機能に特化したシステムを選んでいいでしょう。
(4) 送った内容を分析する
メール配信システムでは、読者にメールを一斉に送ったあとに、誰に送れたか、本文中のどのURLにクリックしたかなど、メールの配信結果を分析する機能があります。
メールは必ずしも、全員に届くとは限らないので、配信結果を知りたい方には必要な機能です。
特に、配信エラーとなった方に、何回も連続してメールを送り続けることを各社、禁止している場合が多いです。
そのため、読者のメールアドレスのうち、配信エラーとなったメールを把握し、適宜、除外する必要があります。
■ 配信結果の分析に必要な情報
こうした理由から、メールを送信した結果、配信に成功したメールの数、失敗したメールの数、失敗したメールアドレスを把握する必要があります。
3 何人の読者にメールを送る予定か?
メルマガの読者のターゲットが誰かを特定することは重要です。
そして、読者がどのくらいのボリュームになるかを見積もることで、どのメール配信システムを選ぶべきか、
ならびに、費用感が見えてきます。
小規模(0メールアドレス ~ 500メールアドレス)
小さな店舗や、個人で仕事をしている方(教室、コンサルタントなど)は、送信するメールアドレスの数は、
500メールアドレス以下で収まっている場合が多いです。
中規模(500~50,000メールアドレス)
中小企業で事業をされている方や、法人相手にビジネスをされている方は、このあたりです。
ただ、この規模になると、読者を分類する機能や、配信エラーとなったメールアドレスを管理する機能も
必要です。
大規模(50,000メールアドレス以上)
ECショップをされたり、コンシューマー向けに事業をされている法人向けとなります。
自社内にある顧客管理システムとの自動連携機能なども必要となります。
4 どれくらいの頻度でメールを送るか?
意外と忘れがちなのが、どのくらいの頻度でメールを送るか?という視点です。
週に1回、2週に1回、月に1回、あるいは年に数回なのでしょうか。
メルマガを始めたが、想定以上にメルマガを書く作業に負荷がかかり、途中で断念することもよくあります。
ブログや、SNS、ホームページで情報発信しているなかで、メルマガまで手が回らないこともあります。
頻繁に書ける (週に1~2回)
頻繁にメールを送れる方にオススメなサービスは、何回送っても使用料金が変わらない定額のメール配信サービスです。例えば、毎日送りたい方にとっては、メール配信の上限数が無制限なシステムがいいです。
ただし、頻度が多すぎると、読者から「また届いた・・・」という印象をもたれる可能性があります。メールを
送る頻度と、開封率はトレードオフの関係ということは留意してください。
頻繁には書かないが、たまにメールを送る(月に1回~年に数回)
「メールを頻繁に書ける自信はないけど、必要なときにはメールを送りたい」という方もいます。
セールや、キャンペーン、イベントの案内を年に数回送りたい方もいるでしょう。
その場合は、月額制ではなく、メールを送る毎に料金が発生する都度払いのメール配信システムが合っています。
5 使い勝手はいいか?
メルマガの初心者にとって、ネックになるのが、「システムの使い勝手」です。
様々な機能が盛り沢山にあるけど、結局使うのは、メールを送る機能だけ、みたいな話はよく聞きます。例えば、読者を分類する機能や、HTMLメールを作る機能は、使いこなせるようになるまでに、色々な作業が発生します。
そのため、「普段から忙しいのに、そんな細かい作業をしていられない。とにかくお客様に連絡ができればい。」という声も聞きます。
そして、「入力画面の使いやすさ」も重要です。
入力画面が複雑になれば、当然入力ミスも増えます。件名や本文を誤送信するのは絶対、避けたいところです。
そこで、次のようなポイントで、システムの使いやすさを評価することをオススメします。
■ 使い勝手を判断する際のポイント
1 どうやってメールを送ればいいか、直ぐに分かるか?
※ 色々と設定をしないと、メールを送れないシステムはオススメできません。
2 入力に時間がかかるか?
※ 入力項目が多いシステムや、反応が遅いシステムは、心理的な負担になりやすいです。
3 システムの操作は簡単か?
※ マニュアルがなくても、メールが送れるようなシステムが望ましいです。
4 テスト配信をする機能はあるか?
※ 件名や本文の入力ミスがあっても、当機能があれば防げるため簡単か?
メール配信システムのなかには、無料のお試し版などがあるので、使い勝手を確認してみることをオススメします。自分のフィーリングにあうかどうかチェックしてみてください。
6 システムの設定作業は簡単か?
メルマガ初心者にとって、メールを配信する前の最初の壁が、システムの初期設定作業です。
システムによって提供している機能が異なるので、一概に言えませんが、一般的な設定作業は次の5点です。
■ 一般的な設定作業
1 読者情報に登録する項目を決める。
(例)メアド、名前、性別などの項目のうち、どれを読者に登録してもらうか決めます。
2 メルマガ登録フォームの文言決める。
(例)メール登録フォームに記載する文言を決める。
どんなコンテンツのメルマガを送るのか、読者登録フォームに説明文を載せて置くことは重要です。
3 読者の分類方法を決める。
(例)読者の分類方法を決める。例えば、性別・年齢別で読者を分類するのか。など。
4 読者情報を登録する。
(例)1件ずつ登録する場合と、一括で登録する方法があります。
5 メールを作り、配信する。
(例)メールの件名、本文を作り、送信する読者を決めて送ります。送信する日時を決めることもできます。
このような設定作業が面倒な場合もあります。
そういった場合は、メール配信を代行してくれるサービスを選ぶのも一つです。
Q4
メール配信に関する法律を教えてください。
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A. 「特定電子メール法」(改正)が2008年12月から施行されています。
「特定電子メールの送信の適切化等に関する法律」いわゆる改正「特定電子メール法」が2008年12月から施行されてます。この法律を事前に確認し、どんなことを遵守すべきかを知っておく必要があります。
特定電子メール法のポイント
最重要となるポイントが2点あります。
(1)配信にあたって同意が必要
メール配信をする際には、事前に同意した方にのみ、配信することができます。なお、名刺交換した方は
通信販売などの広告メール以外は、同意したとみなされ、送信が可能です。しかし、法律がOKといっても
相手の感情を害してしまっては逆効果ですので、事前の確認を取ることをオススメします。
(2)メール文中の表示義務
メールの文面に、次の2点を記載しておく必要があります。
・送信者などの氏名または名称
・メールを受信解除する際の問合せ先のメールアドレス
例)配信停止ご希望の方は、以下のメールアドレスに『メール配信停止希望』とご記入の上送信下さい。
(お問合せ窓口) XXX@XXX.com